肝臓小話
健康診断で、指摘される肝障害の原因として考えられるのが、①肝炎ウィルス②アルコール③肥満④薬剤⑤食品⑥免疫⑦胆石症、胆嚢炎などがあります。
① 肝炎ウィルス;B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルスが肝炎ウィルスとして良く知られていますが、これら以外にも、風邪ウィルスなどでも軽度の肝障害を起こすことがあります。
② アルコール;ビール2本、日本酒2合以上を毎日続けて、飲酒する場合は、3~5年以上で、アルコールによる肝障害をおこすことがあります。女性は、男性よりもアルコール分解能が低いため、男性よりさらに少ない量で肝障害を起こします。
③ 肥満;脂肪肝は、過剰な中性脂肪が肝臓に蓄積した状態で、体重が毎年増加していると、健康診断で、指摘されることがあります。脂肪肝の症状は、軽い倦怠感、上腹部の不快感など、はっきりとした症状は認めません。ほとんどが無症状です。
④ 薬剤;肝障害を起こす薬は少なくありません。薬を内服して、短期間に肝障害が出現する場合と、中長期間にわたって、出現する場合があります。急性の薬剤性肝障害を起こす薬剤としては、抗生物質の頻度が高いです。
⑤ 健康食品、サプリメント;健康食品中には、含有成分が表示されていないことがあり、輸入品については、肝障害を起こす食品は少なくありません。ステロイド、甲状腺ホルモン類などを含有する場合は、その頻度が高くなります。
⑥ 免疫;女性の場合は、膠原病に関係した肝機能障害を起こすことがあります。中年の女性に多く、症状は、関節痛、痒み、こわばりなどがありますが、慢性の経過をとる場合は、症状を伴わないことがあります。
⑦ 胆石症、胆嚢炎;食後の上腹部痛、右腹痛、もたれ感などの症状を伴う時には、胆石症の存在が疑われます。この時、肝機能障害を認める時があります。
これらが、肝機能障害の主な原因となります。