この疾患は、中年女性に多い病気で、他の膠原病(関節リウマチなど)との合併が多く認めれます。人間は、外部から侵入した細菌や、ウィルスなど、自分とは異なるもの、即ち自己でない進入物に対しては、これを排除しようとする働きがあります。これは、自分を守る上で、大切な働きで、免疫機能とも言われています。ところが、年齢が進むにつれて、この免疫機能に異常が生じてきて、自分の組織の一部を、他からの進入物と間違って認識することがあります。そうすると、その組織を、免疫機能を使って、攻撃するようになります。その標的が、関節なら関節炎、肝臓なら肝炎を引き起こすことになります。この肝炎を自己免疫性肝炎と呼びます。時に、この肝炎は、急に増悪して、黄疸をもたらすことがあります。治療は、副腎皮質ホルモン剤、いわゆるステロイドを内服する必要があります。この薬によって、ある程度肝炎を沈静化することができますが、長期にわたり、ステロイドを内服する場合は、糖尿病、骨粗しょう症、胃潰瘍などの副作用が出現する可能性が高くなりますから、できるだけ少量で、維持できるようにします。