B型肝炎キャリアの成立は、ほとんどが母子感染です。出産の時に、感染力が強いHBe抗原陽性のB型肝炎ウィルスを保有する母親の血液に触れることで、ウィルスが体内に入り、ウィルスキャリアとなります。このケースがほとんどですが、まれに母親以外から感染するケースがあります。これは、乳幼児の時に、B型肝炎ウィルスを保有する乳幼児との接触で、ウィルス感染が起こることです。乳幼児の時は、お互いに接触が濃厚となるケースが多く、唾液などを口移しすることがあります。唾液内に、B型肝炎ウィルスが含まれていると、これで、体内に肝炎ウィルスが入り込むことになります。乳幼児の時(3歳まで)は、免疫システムが十分に発達していないので、ウィルスを自身の体の一部と誤認識して、ウィルスを排除する機能が働かずに、体内に保有することとなり、キャリアになります。出産を介して母親から感染するケースを垂直感染、乳幼児の時の感染を水平感染と呼んでいます。